演習事例
人材アセスメントで使用する演習事例

人材アセスメントプログラムは、主に5つの演習事例から構成されており、評価目的や予算・日数を勘案したうえで、最適な演習事例を組み合わせ実施いたします。

多くは職場とは離れた場所で集合研修スタイルをとって2日~3日のコースを行うのが一般的です。

VTRをフルに使って自他観察と評定、相互フィードバックを繰り返すというシステマティックな構成になっています。

【表3】演習事例とディメンションの関係

 

 

 

集団過程演習(グループ・コンセンサス・シミュレーション)

この演習では、グループに与えられた課題をメンバー全員によって
解決していくことが義務づけられる。
メンバーの課題解決行動とメンバー間の合意形成のプロセスを両面から観察することにより、
個々人の問題解決能力や対集団影響力などを解析し評価していくものである。
このシミュレーション演習は他の演習よりも、ディメンションを
広範囲にまんべんなく測定できるのが特色である。

グループ討議の事例としては、個々のメンバーに異なった達成課題を与えて、
自分の達成課題とグループの目標とを調整していく事例(役割有り)と、
全員に共通の課題を与える(役割無し)の2種類が基本である。

対人折衝演習(インターアクション・シミュレーション)

広くはインタビューシミュレーションとも呼ばれているものである。
一対一の面接ロールプレイングである。
このようなロールプレイングは、本来は対人心理学の手法を用いて、
クライアント(患者)が抱える精神的なギャツプを明らかにさせていくための
カウンセリングの手段として発展してきたものである。

ただし人材アセスメントで一般的に用いられるシミュレーションは、
アセッサーが当人にインタビューを重ねていくタイプではない。

アセッサーは、ロールプレイングをおこなっている上司役の被評定者の言動を観察する。
面接シミュレーションにはさまざまな形態があるが、大きく分けると、

(1)部下の逸脱行為を是正させる事例 
(2)上司と部下の間に生じている対立・葛藤を解消させる事例
(3)部下の抱える悩みを探索して指導する事例の3つに分類される。

いずれにしてもマネジャーが日常的に直面する可能性の
高いシチュエーションが設定されている。
当然ながら面接においては、上司役としての言動内容は部下役の反応・態度に
影響を与えるわけであるので、上司役と部下役の間に生ずる心理的な相互作用も
重要な解析の対象となる。

この意味ではインターアクション(言動の相互関係性)に関連する
スキルがメインの評価対象となるわけである。

ディメンションのなかでは「表現伝達力」「説得力」「交渉力「計聴力」などの
コミュニケーションスキル、および「安定性」「果断性」「自律性」「達成意欲」などの
メンタルスキルがメインに測定できる。

意志決定演習(インバスケット・シミュレーション)


制限時間内にインバスケット(決裁箱)に入っている未決裁案件を
決済処理させる演習である。
シチュエーションとしては、特定の管理組織の長(所長や業務部長など)の役割を与えて、
数時間以内に社内外からの連絡通信文を決裁させるというパターンが多い。
インバスケットの内容にもさまざまなマネジメント上の問題が織り込まれており、
なかなかに臨場感に富んだシミュレーション演習である。

スキルクラスターのなかでは「問題発見力」「分析力」「総合判断力」などの
問題解決と意思決定に関するスキル、ならびに「計画策定力」「業務統制力」などの
業務管理に関するスキルがメインの測定対象となる。

戦略組織化演習 (オルガナイジング・シミュレーション)

組織を取り巻く課題状況を分析した上で、担当組織のビジョンと戦略的な目標を定め、
統制可能な資源を目標達成へ向けて組織化していく過程にアセスメント・フォーカスする
「業務創造型」の演習。
この演習でメインに測定されるディメンションは、
「戦略設計能力」「計画組織化能力」「目標設定能力」
といった組織計画と統制に関するスキルが中心となる。

もちろんインバスケット演習でもこれらのスキルは観察できないわけではないが、
オルガナイズ・シミュレーションのほうが評定精度は高くなる。

またこの演習の変形パターンとしては、「プロジェクト演習」がある。
これは実習者に架空の社内プロジェクトを企画させるものである。
ただし研修コースの場でいきなり考えさせるのには無理があるので、
事前に企画勘案させておくことが通常である。

発表演習(プレゼンテーション・シミュレーション)


プレゼンテーションのテーマは「戦略組織化演習」でのアウトプットが基本であるが、
他にも実習者に特定の課題状況と役割を与えて、
その役割を即興的に演じてプレゼンテーションしてもらうような形態もある。
この演習で測定されるスキルは問題解決と意思決定を除いた
対個人・集団影響力とメンタルクラスター全般である。
集団過程演習に次いで測定能力領域が広いので、
評定精度を高めるためには貴重な演習である。